Maccyの詳細設定ガイド:ほとんどの人が触っていない設定項目

最終更新:2026年10月21日 · 読了目安:約9分 · が付いた項目は、公開前にお使いのMaccyのバージョンで確認してください。

結論から

Maccy Appの詳細設定とは、何を保存し、何を無視し、検索がどう動き、ペーストがどう働くかを決める設定群のことです。ほとんどは「設定」(メニューバーのMaccy Macアイコン →「設定」、またはMaccy Clipboardにフォーカスがある状態で ⌘ ,)から変更できますが、一部はターミナルでの defaults write でしか触れません。保存件数、「除外」タブ、検索モードの3つを調整するだけで、日常の引っかかりの大半は解消します。

なぜ詳細設定を見直すのか

Maccyは初期状態でも十分に使いやすいクリップボードマネージャです。ただ、数週間使っていると引っかかりが出てきます。履歴がゴミだらけになる、検索で意外なものがヒットする、コピーしたスクリーンショットがいつまでも残る、コピーしたトークンが履歴に居座っている、といった具合です。

これらはアプリの問題ではなく、設定の問題です。Maccyは無料・オープンソースで、ローカルファーストの設計なので、どの設定もトレードオフを自分で決めることになります。データがMacの外に出ない以上、「ストレージ」と「除外」の設定こそが実質的なプライバシー対策です。

設定項目の名称はリリースごとに少しずつ変わります。正確なラベルや初期値に自信が持てない箇所は、その旨を明記しています。

ストレージ:Maccyが何をどれだけ保持するか

「ストレージ」タブでは、Maccyが何を記録し、どれだけ残すかを設定します。

設定項目 内容 実用上のアドバイス
保存:ファイル / 画像 / テキスト ペーストボードのどの種類のデータを記録するかを切り替えます。 コピーした画像を再利用しないなら、画像をオフに。Maccyが軽くなり、スクリーンショットで履歴が埋まることもなくなります。
履歴の件数 保持する項目数の上限。初期値は200、UI上の上限は999です 。 ほとんどの人は200で足ります。数週間前にコピーしたものを日常的に探す場合だけ増やしましょう。
並び順 最後にコピーした時刻、最初にコピーした時刻、コピー回数から選べます。 感覚に合うのは「最後にコピーした時刻」。メールアドレスや住所のような定型文を繰り返し使うなら「コピー回数」が向いています。

重複の扱い。同じテキストを2回コピーしても、項目が2つ作られることはありません。Maccyは既存の項目を先頭に移動し、コピー回数をカウントアップします。「コピー回数」順が成り立つのはこのためです。

ピン留めした項目は件数の上限の対象外です。絶対に消したくないものは、履歴の件数を増やすのではなく、ピン留めしてください(項目をハイライトして ⌥ P)。

ペーストの挙動と書式

項目を選んだときの動作を変える設定が2つあります。

  • 自動でペースト:項目を選ぶと、最前面のアプリに直接ペーストされます。オフの場合、Maccyはクリップボードに項目を載せるだけで、⌘ V は自分で押すことになります。自動ペーストには、システム設定 → プライバシーとセキュリティ → アクセシビリティでの許可が必要です。自動ペーストが何も起こさずに失敗する場合は、まずこの許可を確認してください。macOSのアップグレード後やアプリの再インストール後は特に要注意です。
  • 書式なしでペースト:リッチテキストの装飾を取り除き、ペースト先のスタイルに合わせます。Webの文章をドキュメントに貼るときに便利です。

既定の動作は、ペーストごとに反転できます。項目を選ぶときに ⌥ を押したままにすると、通常とは逆の方式でペーストされます(たとえば既定がリッチテキストなら、プレーンテキストで貼り付け)。

「除外」タブ:実質的なプライバシー設定

Maccyは、特定のアプリからのコピー、特定のペーストボードタイプ、あるいは正規表現に一致する内容を記録しないようにできます。すべてがローカルに保存される以上、このタブの目的は「自分のマシンの履歴に何を残すか」を絞ることにあります。

除外するアプリ

コピーを一切記録したくないアプリ(銀行系アプリ、パスワードマネージャ、リモートデスクトップクライアントなど)を追加します。Maccyはアプリのバンドル識別子でコピー元を判別します 。

除外するペーストボードタイプ

行儀のよいアプリは、nspasteboard.org で定められたコミュニティ標準のペーストボードタイプで、機密性の高いコピーに目印をつけます。パスワードには「concealed」、短命なデータには「transient」といった具合です。Maccyは既定でこれらを尊重するため、パスワードマネージャからのコピーの多くは履歴に現れません。ただし、これはコピー元のアプリが目印を付けている場合に限られます。付けていないアプリのコピーが機密かどうかは、Maccyには判断できません。思い込みで済ませず、お使いのパスワードマネージャで実際に確かめてください。

正規表現による除外

パターンに一致するコピーを破棄します。例をいくつか挙げます。

目的 パターン
6桁のワンタイムコードらしきものを除外 ^\d{6}$
よくあるAPIキーのプレフィックスで始まる文字列を除外 ^sk-[A-Za-z0-9]{20,}
16桁のカード番号風の数字を除外 ^\d{4}[ -]?\d{4}[ -]?\d{4}[ -]?\d{4}$

パターンごとに、無害なサンプルをコピーして履歴に残らないかを確認しましょう。正規表現は、自分が思いついたパターンの範囲までしか守ってくれません。

履歴の消去

履歴はメニューから消去できます(⌥ ⌘ ⌫ で全消去 )。バージョンによっては、終了時に履歴を消去するオプションや、履歴と同時にシステムのクリップボードも消去するオプションがあります 。

外観とポップアップ位置

「外観」タブは、見た目というより使い勝手の速さに効いてきます。

  • ポップアップの表示位置:カーソルの近く、メニューバーアイコンの位置、ウィンドウの中央から選べます 。カーソル付近に出せば、作業中の視線を動かさずに済みます。
  • ピン留めの位置:リストの上か下かで、ピン留めした項目の並ぶ場所が決まります。
  • 画像の高さとプレビューの遅延:サムネイルの大きさと、ホバーしてからフルプレビューが出るまでの時間を調整します。画像をよくコピーするなら、短めの遅延が便利です。
  • タイトルの長さ:長い文字列をどこまで表示するか。短くすると、画面に収まる項目数が増えます。
  • 表示/非表示の要素:メニューバーアイコン、検索フィールド、フッターなど。メニューバーアイコンを隠すとバーがすっきりしますが、Maccyを開くにはグローバルショートカット(既定は ⇧ ⌘ C)頼みになります。他のアプリと競合する場合は「一般」で変更してください。

ターミナルで変更する隠し設定

Maccyの設定は org.p0deje.Maccy というdefaultsドメインに保存されています。過去のバージョンには、UIがなく defaults write でしか変更できないオプションがありました。書式は次のとおりです。

defaults write org.p0deje.Maccy <キー> <値>

変更後は、Maccyを終了して再起動してください。キー名や利用可否はリリースごとに変わるため、編集する前に、現在の値を一覧で確認しておきましょう。

defaults read org.p0deje.Maccy

これまでのバージョンには、ポップアップ位置、画像の高さ、プレビューの遅延、メニューバーアイコンの表示を扱うキーが存在していました 。正式な一覧はプロジェクトの公式ドキュメントで確認してください。古いブログ記事からキーをコピーするのは避けましょう。お使いのバージョンに存在しないキーを書き込んでも、何かが壊れることはなく、単に効果がないだけです。

おすすめの設定例3パターン

タイプ ストレージ 検索 除外 ペースト
プライバシー重視 テキストのみ。履歴は約100件 完全一致 パスワードマネージャ、銀行系アプリ、OTPとキーの正規表現 手動ペースト
開発者向け テキストとファイル。約300件 正規表現 シークレットやトークン用の正規表現 自動ペースト、既定はプレーンテキスト
デザイナー / ライター向け テキストと画像。200件 あいまい 最小限 自動ペースト、既定はリッチテキスト

これらはベンチマークではなく、トレードオフを考えたうえでの出発点です。1週間ほど実際に使ってみて、調整してください。

注意点と正直な限界

  • macOSのアップデートや再インストールのあとに自動ペーストが効かなくなる。アクセシビリティの許可を付与し直してください。
  • 除外リストですべてを守れるわけではない。防げるのは、アプリが宣言したものと、自分のパターンに一致したものだけです。保証ではなく、リスク低減の手段と考えましょう。
  • 履歴を大きくすると、メモリ負荷とノイズが増える。画像を有効にしている場合は特にそうです。
  • App Store版、Homebrew版、直接ダウンロード版で設定が異なることがある。設定画面がこの記事と合わない場合は、まずバージョンを確認してください 。
  • ショートカットの競合。⇧ ⌘ C が反応しないときは、別のアプリが先に使っている可能性があります。「一般」で割り当てを変更しましょう。

よくある質問

Maccyの詳細設定はどこにありますか?

Maccyのメニューから「設定」を開き、各タブ(一般、ストレージ、外観、ピン、除外、およびバージョンによっては「詳細」セクション)を確認してください。このほか、ターミナルの defaults write org.p0deje.Maccy でしか使えないオプションも一部あります。

パスワードマネージャからコピーしたパスワードはMaccyに保存されますか?

通常は保存されません。Maccyは、concealedやtransientの目印が付いたクリップボード項目を無視します。主要なパスワードマネージャの多くは、この目印を付けています。お使いのパスワードマネージャで実際に確認し、念のため除外アプリの一覧にも追加しておくと安心です。

Maccyの検索モードはどう変更しますか?

設定を開き、「一般」の中にある検索のオプションから、完全一致、あいまい、正規表現、混合のいずれかを選びます 。

Maccyが自動でペーストしてくれないのはなぜですか?

自動ペーストにはアクセシビリティの許可が必要です。システム設定 → プライバシーとセキュリティ → アクセシビリティでMaccyを有効にし、アプリを再起動してください。

Maccyのクリップボード履歴はクラウドに保存されますか?

いいえ。Maccyはローカルファーストで、履歴はMac上にのみ保存されます。何を残すかは、ここまで紹介した設定で管理できます。

まとめ

すべてを変える必要はありません。まずは3つから始めましょう。ストレージを実際に再利用するものだけに絞る。自分の記憶のしかたに合った検索モードを選ぶ。そして「除外」タブに10分かける。これだけで効果の大半は得られます。Maccyは無料のオープンソースソフトウェアで、maccy.app から入手できるので、ぜひ設定を試してみてください。

コピーした項目のうち、履歴に残っていてほしくないものは何ですか?そして、それは除外リストで守られていますか?